福田組のあらゆる活動がここにある。
杜の都仙台に、快適さと安心を兼ね備えた地域の拠点をつくる
~「イオンモール仙台上杉」建築工事 ~
現場最前線

宮城県仙台市、青葉区堤通雨宮町。かつて東北大学農学部雨宮キャンパスがあった広大な敷地に、新たな地域の拠点が生まれようとしています。ここは仙台駅から約2kmという都心周辺部の市街地にあり、市内有数の文教地区。周囲には住宅や学校・幼稚園等の教育機関などがあり、多くの人が暮らすまちです。そのため、跡地の利用については、まちづくりの一環として、仙台市・東北大学・仙台商工会議所・学識経験者で構成される「東北大学キャンパス移転まちづくり会議」により検討が重ねられました。その結果、医療施設・住宅施設・商業施設の3つを敷地内に建設することが決定し、2013(平成25)年にイオンモール株式会社様が当開発の事業主に。福田組は3つの施設のうち、商業施設「イオンモール仙台上杉」を担当しています。
今回は、福田組のイオンモール株式会社様を始めとするイオン系列の商業施設の業務実績を振り返ると共に、地域の方々からも大きな期待が集まる当現場をご紹介します。
※所属および掲載内容は2024年11月取材当時のものです。
長きにわたる多くの実績で得た信頼を胸に
私たち福田組が施工した、イオンモール株式会社様を始めとするイオン系列の商業施設は、古いものでは1993(平成5)年からあり、新築工事だけでも35件(※)、その他活性化工事や追加工事を含めると約188件(※)の実績があります。この30年以上のお付き合いと多くの実績を通して培った信頼を胸に、イオンモール仙台上杉においては「地域の防災拠点」「文化と歴史の継承」という特殊な機能をもったモールの建設に挑んでいます。
※いずれも2024(令和6)年11月現在の件数。
- 福田組が手掛けるイオングループの主な商業施設新築工事(35件)
地域の防災拠点として
今回の現場「イオンモール仙台上杉」では、イオンモール株式会社様と東北大学災害科学国際研究所様によって、地域の継続的な防災に貢献するモールの在り方に関する共同研究が行われており、当モールの建物は、震災時に帰宅困難となった方や地域の方が一時的に避難できる場、地域の防災拠点として活用することが計画されています。具体的には、非常用発電機による場内照明・スマートフォン等の充電用電源の確保やマンホールトイレを計画。隣接する仙台厚生病院とモールとの間に病院と一体となった広場を設け、災害時の活動拠点となるよう、水飲み手洗い場等の設置が検討されています。また、当モール屋上には太陽光発電設備を設置し、停電時や災害時の活用だけでなく、発電した電気は日常的にモール内で消費される予定です。
この地の文化と歴史を継承する
この地の歴史を辿ると、近代日本における高等教育の拠点の1つであった旧制第二高等学校が、1925(大正14)年からここにあり、その後1949(昭和24)年には東北大学農学部のキャンパスに。それから2017(平成29)年の移転まで半世紀以上、旧制高校時代から数えると1世紀近く、ここは東北における日本の高等教育の第一線の地でした。これらの脈々と受け継がれてきた文化と歴史を継承するため、東北大学農学部時代から残る守衛室が当モール敷地内に移築されます。建物の外観に関しても、文教地区にふさわしい、周辺の街並みと調和するような落ち着いた色彩とし、外壁に装飾用のルーバーを設置するなど、上質な空間を演出する工夫がされています。
工事中も、暮らしの安全を第一に
今回の現場は、東北大学雨宮キャンパス跡地開発の最後の建設工事。同跡地内にはすでに仙台厚生病院と住宅(約400戸数のマンション)が完成しており、多くの利用者の方や住民の方、学校・幼稚園等へ通う子どもたちも多く通ります。またメインエントランス前の道路は、仙台駅へ向かう幹線道路であり、市内有数の交通量があります。そのため工事に当たっては、隣接する病院の運営と住民の皆さんの安全な生活、周辺道路の一般車両のスムーズな流れを妨げることなく進めることが肝要です。工事車両の搬入経路や搬入時間帯、車両の駐車スペース確保など、仮設設計時には地域の方々の暮らしの安全を第一に考え、施工中の騒音や資材の運搬などにも細心の注意を払い、業務を遂行しています。
2025年秋の竣工に向けて
当建物の竣工、イオンモール仙台上杉のオープンは2025年秋の予定です。春からは外構工事も始まり、いよいよ仕上げの段階に入ります。仙台市や東北大学の関係者の方々、住民の皆様など、多くの方々からの期待を感じながら、今日も安全第一で工事を進めています。

工事所長
佐藤 健二
東北支店 建築部 工事担当
仙台の一等地とも言われる、歴史あるこの地の再開発の一端を担うことができ、大変光栄に思います。ただ、人口も交通量も多いこの街中での工事には、周辺の皆様にとっての安心・安全面で留意すべきことが多く、さまざまな面で苦心しつつ、所員一同気を引き締めて工事に当たっています。来年春からは、秋のオープンへ向けた大規模な外構工事も始まります。この先も安全第一で滞りなく業務を遂行し、イオンモール様の経済活動を通して、また地域拠点として多くの方の生活に寄り添うことで、社会に貢献できるよう努めます。

営業担当
渡辺 勝
東北支店 営業部
東北大学農学部雨宮キャンパス跡地の再開発に当たっては、長年多くの方が関わり、豊かな暮らしを彩る、賑わいと安心安全な複合市街地にすべく、さまざまな構想を描いてこられました。その最終段階とも言える今回のモール建設において、我々福田組の仕事は「この構想の実現を完了させること」です。この重要な役割をお任せいただけたのは、これまでの実績を通して、当社設計の提案力や施工品質の高さを評価いただいた結果だと思います。社内関係各所の皆様に感謝いたします。これからも誠実に、お客様の願いを叶えるために邁進いたします。
※プロジェクトチームのエピソードについては、新卒採用サイトのプロジェクトストーリー関連記事もぜひご覧ください。
工事概要
工事名 | イオンモール仙台上杉 |
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場所 | 宮城県仙台市青葉区堤通雨宮町1-1 |
工期 | 2025年秋 |
発注 | イオンモール株式会社 |
設計 |
株式会社福田組 |
概要 |
総賃貸面積:約29,000㎡ 敷地面積:約33,000㎡ 延床面積:約75,000㎡(立体駐車場含む) |
構造 |
店舗棟:鉄骨造 地上4階建 立体駐車場棟:鉄骨造 地上6階建 |