TCFD提言に基づく情報開示
当社グループは、2022年2月15日に公表しました中期経営計画(2022~2025)の基本方針「企業価値向上のためのESG経営」の中で「脱炭素社会への貢献」を掲げています。気候変動による事業への影響を重要な経営課題の一つと捉え、「TCFDコンソーシアム」に参画するとともに、TCFD提言に基づくシナリオ分析を実施しました。この結果を踏まえ、TCFDが提言する情報開示のフレームワーク(ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標)に基づく気候変動関連の情報を開示します。
今後もESG経営の推進を重要視し、TCFD提言に基づくシナリオ分析を踏まえた対応策を通じて、持続可能な社会の実現に取り組んでいきます。
ガバナンス
- 気候変動を含むサステナビリティに関わる基本方針や重要事項、リスクや機会などを検討・審議する組織として、「サステナビリティ委員会」を設置し、年2回以上委員会を開催しています。
- 「サステナビリティ委員会」で気候変動を含むサステナビリティに関する検討を行い、取締役会に上程・報告し、取締役会が監督を行います。
- 取締役会で審議・決定された議案は各部門に展開し、経営計画・事業運営に反映します。
戦略
- 中長期的なリスクの一つとして「気候変動」を捉え、関連リスク及び機会を踏まえた戦略と組織の柔軟な対応力について検討するため、当社はIEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(1.5℃シナリオ及び4℃シナリオ)を参照し、2050年までの長期的な当社への影響を考察し、国内の土木・建築工事事業を対象としたシナリオ分析を実施しました。
※1.5℃シナリオ:IEA-NZE等 ※4℃シナリオ:IPCC-AR6(第6次評価報告書) -SSP5-8.5等
- 当社にとっての影響の大きさや発生の可能性の2軸からリスク・機会を抽出し、重要度を評価して重点となる項目を絞り込み、対応策を整理しています。今後も戦略としての柔軟な対応力を高めながら、事業計画等と連動させて脱炭素社会の実現に貢献していきます。
■移行リスク/機会
■物理的リスク/機会
リスク管理
- 気候変動リスクに関するワーキンググループを設置してシナリオ分析を実施しました。気候変動リスクの優先順位付けとして、可能性と影響度の観点から、重要度の高い項目に注力して取り組みます。今後は「カーボンニュートラル委員会」で継続的に確認していきます。
- 気候変動リスクの管理プロセスとして「カーボンニュートラル委員会」を通じて、気候変動リスクに関する分析、対策の立案と推進、進捗管理等を実践していきます。
- 「カーボンニュートラル委員会」で分析・検討された内容は「サステナビリティ委員会」に報告され、「サステナビリティ委員会」は「リスク管理委員会」や「コンプライアンス委員会」と情報共有を行いながら、サステナビリティに関するリスク管理を行い、取締役会に報告します。
指標と目標
- 当社では、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、温室効果ガス(CO₂)の総排出量を指標として削減目標を設定しています。
(単位:tーCO₂)
2023年度 実績 | 2030年度 目標 | 2050年度 目標 | |
---|---|---|---|
Scope1 | 21,771 |
23年度比 ▲30%削減 |
カーボンニュートラル |
Scope2 | 2,707 |
※上記対象会社は株式会社福田組を対象
- 目標達成に向けた削減活動については、今後社内での議論を通して確定・実施していきます。