福田組のあらゆる活動がここにある。

藤木鉄工×福田組。次の100年への一歩をパートナーと共に。

~「藤木鉄工株式会社 新社屋」建設プロジェクト ~

現場最前線

日本国内の鉄骨製作工場における最高位、Sグレード認定工場を有する藤木鉄工株式会社様。2027(令和9)年に創立100周年を迎えるに当たり、記念事業の一環として、新潟県北蒲原郡聖籠町の東港工場敷地内に新社屋を建設中です。人にも環境にも優しい最新設備を導入し、環境に配慮されたグリーン鋼材を使用した、最先端の機能を有するこちらの新社屋。この記念すべき建物の建設を、私たち福田組が担当しています。

また、藤木鉄工様と福田組は、創立当初からのパートナー企業。福田組が手掛けてきた多くの建設現場に、鉄骨を納入してくださっている「鉄骨ファブリケーター」です。鉄骨無くしては、私たちの仕事は成り立ちません。建物の骨格を形づくり、安全を担保するための大切鉄骨を安心してお任せできる、長年の信頼関係があります。

本記事では、藤木鉄工様の熊倉会長と小林社長へのスペシャルインタビューを実施し、新社屋に込められた想いや構想、この大切な役割を福田組にお任せいただいた経緯などを伺いました。また、今回の工事でも鉄骨ファブリケーターとして活躍してくださっている藤木鉄工様と、施工管理者である福田組との連携の様子をお伝えします。

※所属および掲載内容は2025年7月取材当時のものです。

未来を築く第一歩――藤木鉄工 新社屋 地鎮祭

2025年3月18日、春のやわらかな日差しのなか、藤木鉄工様の新社屋建設に向けた地鎮祭が執り行われました。

当日は、藤木鉄工様の熊倉会長と小林社長、福田組の荒明社長をはじめ、施主ご関係者、設計事務所、施工を担う私たち福田組、そして工事関係者が参列し、厳かな空気のなかで神事が進められました。

地鎮の儀では、施主、設計者、施工者がそれぞれの立場で参加し、これから始まる新たなプロジェクトへの想いを一つにしました。

地鎮祭を終えると、いよいよ本格的な工事がスタートです。

この場所に立つ新しい社屋が、藤木鉄工様の新たな歴史を築く舞台となるよう、福田組としても誠意をもって施工にあたります。

スペシャルインタビュー

101年目の一歩を、この新社屋から

藤木鉄工株式会社
熊倉𠮷一 会長

当社は2027年に創立100周年を迎えますが、福田組さんとのつながりも、同じく100年を迎えようとしています。「株式会社福田組」を設立された年と、当社が「藤木鉄工所」として誕生した年は、同じ1927(昭和2)年です。「福田組あっての藤木鉄工だ」と創業の頃から代々言い伝えられてきていますし、私も当社に入社してからずっと、そして今もそう感じています。戦後の高度成長期やバブル期が終わり、お互いに厳しい時代もありましたが、常に誠実に対応いただき、当社を引き上げ、育ててくださいました。

今回の新社屋建設は、「次の100年に向けて、小林社長を中心に若い世代が新しい会社づくりをするための拠点としてふさわしいものを」と思い発案しました。建物の設計や設備面を具体的に考えるに当たり、若い社員を中心にワーキンググループを立ち上げ、「どんな環境で働きたいか?」というところから発想を広げ、理想の社屋を描いてもらいました。将来の藤木鉄工を支えるこの世代が、働きやすいと感じる社屋であることが重要だからです。女性社員も増えましたので、女性の目線も多く盛り込みました。このような当社社員の働きやすさを考える一方で、環境配慮の面においても最大限考慮した社屋にします。これからの企業活動は、環境に配慮せずにはいられない、配慮しなければ選ばれる企業にはなれない、と考えるためです。鉄骨は環境に配慮されたグリーン鋼材を使用し、完成した社屋はZEB※認証を取得します。当社の明るい未来を象徴する新社屋の完成を、今から心待ちにしています。

※ZEB(ゼブ)とは、「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の略で、快適な室内環境を維持しながら、建物で消費するエネルギー消費量を実質的にゼロにすることを目指した建物のこと。高断熱化や高効率設備の導入などの「省エネ」によって使うエネルギーを減らし、太陽光発電など再生可能エネルギーの活用による「創エネ」によって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量ゼロを目指す。

人と環境に優しい「これからの時代の社屋」を目指して

創業当時、当社は信濃川河口の港町「入船町」で、船舶用のタンクやボイラーの製造を行っていました。この当社と船とのゆかりを象徴するように、新社屋の外観は、風を受けて進む船の帆をイメージした意匠になっています。また、当社の技術力をアピールする場にもなるようにと、飾り柱として当社で製作した世界最強強度80kgの鉄骨をエレベーターホールに設置します。

藤木鉄工株式会社
小林輝昭 社長

熊倉会長からのメッセージにもある通り、今回の新社屋は、将来の藤木鉄工を支える若い世代の意見を多く反映させたものです。「10年・20年後には、会社は、社会は、こんな風になっているんだろうな…」と共にイメージしながら作り上げました。人間工学に基づいた働きやすい空間を作り出すシステム(空調と照明の自動制御システム)も導入します。まさに、人と環境に優しい「これからの時代の社屋」です。社屋が変わるということは、働き方も変わります。執務室の座席も固定せずフリーアドレスとし、社員が自由に集い創造的な活動ができる空間も作ります。

また、今回は既存の社屋のすぐ隣に新社屋を建てたことで、普段ほんの一握りの社員しか見ることができない、「鉄骨が組み上がり、建物が完成していくところ」を多くの社員が見ることができたことに、大きな意味を感じています。「これがうちの技術力なんだ!これからも技術力を磨いていこう!」という、社員たちの意識向上にもつながったと思います。木村所長を始め、福田組の皆様には、計画当初から参画いただき、一生懸命に取り組んでいただき感謝しております。竣工を迎えるその日まで、どうぞよろしくお願いいたします。

鉄骨が組み上がるまでの2社の連携

今回の現場では、藤木鉄工様が鉄骨ファブリケーターとして鉄骨の製作を担当してくださっています。施主でありながら、パートナー企業としての役割も担ってくださっている、ということになります。この「パートナー企業としての藤木鉄工様」と福田組との連携をご紹介します。

まず、藤木鉄工様が建物の構造設計図をもとに鉄骨製作図の作図を行います。この段階で、設備や内外装などの他の設計図との照合を行い、「どこに配管を通すための開口を設ける必要があるのか?」「事前に設置する部材があるか?」「仕上げや設備部材との干渉は発生していないか?」等の確認を福田組が行い、藤木鉄工様と情報を共有し、鉄骨部材の製作図に反映を依頼します。これらの調整を繰り返し、鉄骨製作図に問題ないことを施工管理者である福田組が確認した後、藤木鉄工様の自社工場にて鉄骨製作を開始していただきます。その後、完成した鉄骨部材を現場まで搬入していただきます。

今回、これらの鉄骨部材の製作図作図にBIM※を導入し、藤木鉄工様と福田組で一元化されたモデルを共有・更新することで、よりスムーズな連携を実現しました。

※BIMとは、「Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)」の略で、建物の設計から施工、維持管理に至るライフサイクル全体を、3次元のデジタルモデルと属性情報で管理する手法。建築物の情報を一元的に管理することで、各段階のさまざまな関係者との情報共有がスムーズに行われ、業務効率化を図ることができる。

工事所長 木村 尚俊

藤木鉄工様には、私が20代の頃から何度もお世話になっており、顔見知りの社員さんもたくさんいます。皆さんにとって記念すべき新社屋の建設に、責任者として携わることができ光栄に思います。上記にもある通り今回はBIMを導入したことで、これまでの連携よりも、より未来の協業の姿が想像できました。当社にとっても大変勉強になりました。

また、藤木鉄工様は大手ゼネコンさんや有名な設計事務所さんとのお付き合いも多く、建設業界のプロの方々がこちらの東港工場に見学や立ち会い検査に来られます。その際に必ず目に入る現場ですので、気を引き締めて管理に当たっています。建設中も完成後も、藤木鉄工様の未来を象徴する素晴らしい建物だと皆さまに言っていただけるよう、この先も安全と品質を確保して工事を進めます。

パートナー企業とも「100年先も誠実」に

私たち福田組を含むフクダグループのスピリットは、「100年先も誠実」です。今回、藤木鉄工様の新社屋建設に当たり、改めて、このスピリットは全方位に向けたものであると実感しました。藤木鉄工様が100年の歴史の中で福田組のことを大切に思ってくださっているように、私たちは当社の事業を支えてくださっているパートナー企業様への感謝を忘れず、誠実であることによって良好な関係を育み、共に社会貢献の道を歩みます。まずは、藤木鉄工様の記念すべきこの新社屋の竣工を無事迎えられるよう、引き続き気を引き締めて工事を進めます。竣工は既存改修を含めて2026年末完成予定です。

※同プロジェクトについては、新卒採用サイトのプロジェクトストーリーや、藤木鉄工株式会社様の100周年特設サイトもぜひご覧ください。

新卒採用サイト プロジェクトストーリー

藤木鉄工株式会社 100周年特設サイト

工事概要

工事名 藤木鉄工事務所棟増築工事
場所 新潟県北蒲原郡聖籠町東港3丁目2265番地6
工期 2025年2月17日~2026年末
発注 藤木鉄工株式会社
設計 株式会社創建築設計事務所
面積 建築面積:876.92㎡
延床面積:2,763.50㎡
構造 鉄骨造4F 1棟