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ここから街並みが変わる!昭和の巨大団地解体

~堀田団地4号棟基盤整備工事~

現場最前線

名古屋市瑞穂区、名鉄線・堀田駅に隣接する全4棟の団地。高度経済成長期に日本全国で建設が進められた昭和の巨大団地の1つ、「堀田団地」です。こちらの建て替え工事の一環として、最初に着手された4号棟の解体工事を、福田組が担当しています。建て替えによって街並みも一新するため、住民の方はもちろん、地域の方々の関心も高いこの現場。今回は福田組が手掛ける解体工事ついて、現場の今を通してお伝えします。

※所属および掲載内容は2025年8月取材当時のものです。

4つの解体と施工手順

今回解体する建物は、1~6階が鉄骨造、7~11階が鉄筋コンクリート造。鉄筋コンクリート造は比較的小型の重機でも解体できるため、重機をクレーンで階上へ上げ、上から順に解体をして降りてくる「階上解体」を採用しました。一方鉄骨造は大きな重機を使って解体する必要があるため、地上に重機を配置して解体する「地上解体」を行っています。

以下、今回の現場を例に、着工後の解体工事の大まかな手順をご紹介します。

1. 内装解体

建物の外側の壁や梁などの躯体を残し、間仕切壁や部屋に設置された各種設備の解体を、建物内部に入り行います。今回の建物にはアスベストが使用されていたため、作業員が吸い込まず、周囲にも飛散させない、法令に則った安全な方法で作業を進めました。内装解体時には、このような使用部材の把握と取り扱いについても注意が必要です。内装解体で出た廃棄物は、床の一部に穴を空けて1階へ落とし、建物外へと排出します。この内装解体と並行して建物外部に足場を取り付け、次の階上解体の準備を進めます。

2. 階上解体(7~11階)

内装解体が完了したら、重機を最上階へクレーンで吊り上げ、天井と床と壁を壊して下の階へと解体を進めます。床は重機の重さに耐えられるよう、事前に「強力サポート」と呼ばれる補強材を設置します。重機を下の階へ移動させる際は、桁サポートを上の階の床から下の階の床へ向けて斜めに設置し、その上を重機が自走し移動させます。足場も各階の解体が完了した時点(外側の壁を壊した時点)で、順次撤去します。

3. 地上解体(1~6階)

階上解体が7階まで終わったら重機を下ろし、階上解体の作業は終了。代わりに大型の重機を地上に配置し、地上からの解体を始めます。階上解体時と同様に、騒音の発生を抑え、飛散物や粉じんの被害が周囲に及ばないよう、散水を行いながら進めます。そのため、重機や解体箇所に接近して作業する人員が必要になるため、作業員の安全確保に神経をとがらせます。

4. 基礎解体(地下)

地上部分の解体完了後、最後に地中にある基礎部分の解体を行います。こちらも事前調査は綿密に行いますが、予期せぬ残置物や地下水の量など、実際に工事を始めてみないと分からないことも多く、状況に応じた対応が求められます。また地上部分よりも強固な構造物が埋まっていますので、解体自体にも困難を伴います。

5. 整地

今回の現場では、この整地作業までが業務範囲です。新しい建物の建設に支障がでないよう、土地を整えてお納めします。

最大の課題は、線路に沿って建つ北側の壁

今回解体する4号棟は、地上11階建て、総戸数157戸。建物北側は名鉄線の線路に沿うように建っています。この線路との隣接が、この現場での最大の課題となりました。万が一にも電車の運行に支障が出ないよう、北側の壁の解体および足場の撤去は「電車が走っていない、終電から始発までの夜間に行うように」との取り決めがあったためです。この夜間工事が許された時間は、夜中の1時から4時。この3時間で、なるべく音を立てず、壁の解体と足場の撤去作業を行う必要がありました。音に関しては防音シートの完備と作業に細心の注意を払い、足場の撤去には、ネットの移動・盛り替えが容易にできる飛散防止ネット「ケージシステム」を採用することで、短時間での作業を実現しました。

階上解体・地上解体を終え、最後の基礎解体へ

現在現場では地上部分の解体をほぼ終え、最後の基礎解体が始まろうとしています。現場で指揮を執る工事所長の下澤に、今の思いを聞きました。

工事所長
下澤 大輔
名古屋支店 土木部 工事担当

これまでシールド工事や造成工事などの土木工事を担当してきたほか、解体工事にもいくつか携わり、階上解体は今回で2回目となります。同じ建物・同じ状況はふたつとないので、解体工事は何度経験しても新鮮です。常に協力会社と話し合い、適切な対応を検討し、柔軟な発想から生まれるさまざまなアイデアが組み合わさって遂行できる仕事だと思います。この後、最後の基礎解体工事が始まります。地下は目に見えない分、さらに予想外の状況が起きるかもしれません。どんな状況になろうとも冷静に、状況に合わせた適切な対応・対処を続けていきます。

新たな街並みの土台をつくる

今回ご紹介した解体工事と整地作業は、この先に続く「新たな街並みづくり」の「土台」となります。これらを担当する私たち福田組は、まさに「縁の下の力持ち」。この誇りを胸に、今後も安全第一で工事を進めます。

「堀田団地 解体工事」施工管理のクロストークもぜひご覧ください。

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工事概要

工事名 堀田団地4号棟基盤整備工事
場所 愛知県名古屋市瑞穂区桃園町2
工期 2024年6月29日~2025年12月31日
発注 独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)中部支社
面工事内容

整地土工 約 0.6ha
住棟除却 高層(11 階)1棟 157 戸