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技術
失敗からの気づき”を支える技術協力――新潟コンクリート技術講習会「心絆」初回研修に構造物製作で参加
6月27日(金)、新潟県土木部と新潟県生コンクリート工業組合による合同企画「新潟コンクリート技術講習会『心絆』」の第1回目となる実技研修が開催されました。会場となったのは、デンカ工販株式会社様の駐車場で、新潟県職員や民間企業の技術者に加え、国土交通省や新潟市の職員も参加。見学者も含めて100名を超える参加があり、盛況のうちにスタートを切りました。
この研修は、新潟県の「新潟県コンクリート品質確保ガイドライン(案)」に基づくものですが、あえて施工が難しい条件を再現し、ジャンカやひび割れなどの不具合を体験するというユニークな内容となっています。失敗を通じて施工時の注意点を学ぶという方針のもと、実際に起こりうる課題に向き合う貴重な機会となりました。
当社は、実技研修に用いる構造物(BOXカルバート)の製作を担当しました。この構造物は、過去の施工困難事例を参考に設計されており、とくに壁部には過密な鉄筋配置や複雑な補強が施されています。3月末に新潟県生コンクリート工業組合より図面作成の依頼を受け、当社で試験体の設計を実施。施工管理も含めて当社が担うこととなりました。6月12日から製作に着手し、鉄筋・型枠・足場の順に工程を進め、限られた期間の中で無事に打設準備を整えることができました。
研修当日の午後には、受講生がBOXカルバート壁部のコンクリート打設を行いました。鉄筋の密集による打込みの難しさや、材料の流動性の違いによって発生する品質のばらつきなど、施工条件の違いによる影響を実感できる貴重な体験となったようです。参加者は、実際の施工に近い環境の中で打設作業に取り組み、仕上がりの確認や不具合の把握を通じて理解を深めていました。
次回8月末の研修では、今回打設した構造物の点検・評価が予定されており、表面状態や内部品質の確認を通じて、原因分析や改善策の検討が行われます。
“失敗から学ぶ”ことを軸にした本講習は、現場のリアルな課題に対する理解を深める貴重な機会となりました。当社としても、本プロジェクトへの施工協力を通じて実務に根ざした知見を広く共有できたことを大きな意義と捉えています。今後もこうした取り組みに対して、製作面から技術的に貢献できるよう努めてまいります。