5月29日、土木・建築の新入社員を対象とした安全教育研修が、協力会社である日建リース工業様の協力のもと実施されました。現場配属を控えた新入社員たちが、安全への意識を高めることを目的とした本研修では、「危険を知識として学ぶだけでなく、実際に体感することで意識を深めてほしい」との思いが込められています。
研修の冒頭では、日建リース工業様より「安全について学びを深め、これから配属される現場業務に活かしてほしい。危険を体感することで自分の安全管理だけでなく、現場で周りの人の安全にも目を配れるようになることが大切」との言葉があり、新入社員たちは真剣な表情で耳を傾けていました。
研修は、安全ネットによる落下物の衝撃を体感するプログラムからスタートしました。重みのあるサンプルを模擬的に落下させ、ネットで受けた際の衝撃を実際に体感することで現場でネットが果たす役割の重要性を実感できます。続いて行われたのは、フルハーネス型墜落制止用器具の装着体験です。正しい装着方法や身体へのフィット感を確認しながら安全帯の重要性を身をもって学び、日々の現場での安全意識をより高める機会となりました。
さらに、VRを用いた危険体感研修では現実さながらの映像と音により、足元の不注意による墜落など、実際に現場で起こり得るリスクを仮想空間で体験しました。普段の座学では得られない臨場感があり、参加者からは「想像以上に怖かった」「こうした状況を自分が招かないようにしたい」といった声が聞かれました。
体感研修を終えた後は資材工場の見学を行いました。
大量に並ぶ仮設資材や整然と管理された資材置き場の様子に、新入社員たちは驚きの表情を浮かべていました。「自分たちが現場で使う資材が、こうした管理のもとで支えられている」ということを目の当たりにし、現場の裏側への理解を深める機会となりました。
午後は仮設材の組立を体験。3班に分かれ、それぞれの班で職長役を決めたうえで配布された図面をもとに作業に取り組みました。組立作業では、図面を読み取り、必要な部材を選定し、チームで声を掛け合いながら作業を進めることが求められます。「次に必要な部材は何か」「この部材の取り付け向きは正しいか」といったやり取りを重ねながら、各班とも協力して仮設材を完成させました。
すべての班が組立を終えた後、達成感に満ちた表情の新入社員たちの姿が印象的でした。そして研修の最後には、日建リース工業の担当の皆さんと全員で集合写真を撮影し、充実した一日を笑顔で締めくくりました。
研修を通じて、新入社員たちは「安全」という言葉の重みを身体で学び、現場における一人ひとりの行動がチーム全体の安全につながることを実感することができました。これから始まる現場での仕事において、今回の体験が支えとなることを願っています。
今回の危険体感研修にも同行し、緊張感のある体験を通じて真剣に取り組む新入社員たちの姿を温かく見守っていた、新入社員研修を担当した土木部の渡辺と建築部の大井。配属前の基礎づくりを支える役割として、座学から実習まで3ヶ月間にわたり指導を行ってきました。
日々の研修を通じて、それぞれの成長や変化を間近に感じることができたと話す2人。「現場では研修で得た知識や経験を活かして、一歩ずつ着実に前進していってほしい」「困ったときは遠慮なく周囲に相談しながら自分の役割を果たしていってもらえたら」と、今後への期待を込めた思いが語られました。
来週からはいよいよ現場への配属が始まります。緊張や不安もあるかと思いますが、この3ヶ月間の研修で積み重ねてきた学びや経験を胸に、自信を持って一歩を踏み出してほしいです。仲間と支え合いながら、現場でしか得られない気づきや学びを大切にし、少しずつ自分なりの成長を重ねていってください。