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SDGs
解体した構造物に新たな価値を ~ 研究材料として生まれ変わる上部工 ~
当社で現在施工中の「岩船港3号岸壁上部工更新工事」は、粟島行きフェリーの発着に使用されてきた岩船港3号岸壁の老朽化に対応するため上部工を解体し、新たに構築し直す工事です。この岸壁は約40年にわたり運用され、地域の交通と物流を支えてきました。今回の更新工事は、今後も安全で安定した港湾機能を確保するために行われています。
当初は、解体した構造物をすべて撤去・処分する予定でしたが、長年使用された構造物がどのように劣化し、どの程度耐久性を保っていたのか、その実物が持つ情報には大きな価値があるのではないかと考えました。実際の使用環境で数十年にわたり機能してきた構造物は、学術的な研究にとって貴重な対象となる可能性があります。
そこで新潟大学工学部の佐伯教授にご相談したところ、研究材料としての活用にご賛同いただき、産学連携協定の一環として構造物の一部を提供することとなりました。この取り組みは発注者である新潟県村上地域振興局様のご理解とご協力のもとで実現し、解体した上部工の一部を新潟大学五十嵐キャンパスへ搬入致しました。
搬入された構造物は、今後、劣化のメカニズムや耐久性に関する研究に用いられる予定です。実際の構造物を対象にした分析は、既存の知見を深めるとともに、将来のインフラ設計や維持管理の高度化にもつながるものと期待されています。
今回の取り組みは、単なる構造物の更新にとどまらず、「資源の有効活用」という観点からも意義ある試みとなりました。役目を終えた資材を学術的に再活用することで、持続可能な社会づくりの一助となることを目指しています。
当社ではこれからも、未来を見据えた建設のあり方を追求しながら、社会への貢献を続けてまいります。