移動した土は10tダンプ8,400台分!
大型商業施設建設に向けた広大な土地整備
~イオンモール郡山新築工事(開発工事)~
福島県郡山市日和田町。長年地域に愛された大型商業施設「ショッピングモールフェスタ」が、「イオンモール郡山」として生まれ変わる。
オープンは2027(令和9)年春。敷地面積約16万㎡(東京ドーム3.4個分)という広大な土地に建つ、福島県内最大級のショッピングモール誕生に期待が高まっている。
今回はこの建設に向けて土地の整備に動き出した現場、福田組が手掛ける開発工事の今を、所長を始めとするメンバーの声を中心に届ける。
PROJECT MEMBER
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石澤 務
東北支店 土木部 工事担当
1992年入社。工事所長として、当開発工事に関する工程・安全・環境・労務管理・コストのすべてを管理・助言。施主様の対応も担う。
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佐藤 孝男
東北支店 土木部 工事担当
1991年入社。工事副所長として、当開発工事において所長を補佐をしながら日常的な施工管理業務を担う。
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白取 和史
東北支店 土木部 工事担当
2022年入社。当開発工事に関する工程・写真・品質・安全管理・施主様対応を担当。新入社員の教育も担う。
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鈴木 健瑠
東北支店 土木部 工事担当
2025年入社の新入社員。先輩社員の指導のもと、写真、測量を実施し、同期の竹中とともに品質、工程、安全管理を担う。
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竹中 哲心
東北支店 土木部 工事担当
2025年入社の新入社員。先輩社員の指導のもと、写真、測量を実施し、同期の鈴木とともに品質、工程、安全管理を担う。
※所属および掲載内容は2025年9月取材当時のものです。
開発工事は、
ダイナミックかつ繊細
今回の開発工事の第一段階は、不要な埋設物を撤去し、土地を水平に整える「造成工事」。約16万㎡という広大な土地を水平にするために動かした土は、約56,000立米(㎥)。一般的なダンプカーである、10tダンプ約8,400台分の土だ。このようなダイナミックな作業がある一方、この後に建築される建物の設計に合わせて、雨水排水管や防火水槽などの適切な位置を割り出し埋設するという繊細な作業もある。また、造成工事を終えた後も、営業店舗近くでの道路整備工事が始まるなど、細心の注意を要する繊細な作業が続く。



ICT施工を導入しつつも、
最後は人の目と手でカバーする
当現場のような広大な土地の開発工事には、最新技術も多く活用されている。ドローンで現地を空撮し、位置情報を示す無数の点で示された3Dデータで地形モデルを作成(点群データ)。これによって、正確な土地の高低差や凹凸を認識することができる。また、これらを元に割り出した切土・盛土の位置と量(どこの土をどこにどれだけ移動させるか)のデータを重機に読み込ませ、重機が必要な土の場所と量を認識して、必要な分だけ掘る技術もこの現場では全面的に活用された。このようなICT施工を導入しつつも、やはり最後に必要となるのは、人の目と手。施工管理者2名にその経験を聞いた。


東北支店 土木部 工事担当 佐藤孝男(工事副所長):
私がこれまで経験してきた現場は、工事関係者以外はほとんどいない山での土木工事が多かったので、今回のような一般の方々の往来がある現場での工事では、今まで以上に安全管理に神経をとがらせています。特に近隣にお住まいの方には、騒音や振動等のご迷惑をお掛けしてしまうので、普段からコミュニケーションをとり、良好な関係を築けるように心掛けています。また、当社管轄外の業者さんが作業に入られることも多いので、こちらとの情報共有やコミュニケーションも欠かせません。構内には大型重機が複数往来しますので、作業員の安全管理の基本としては「重機に近寄らせないこと」。オペレーターへの指示は、基本的に電話でやりとりをします。このように、ICT施工を導入しながらも、人にしかできないことは無数に存在します。今後も自身の感覚を研ぎ澄ませて、管理に当たります。

東北支店 土木部 工事担当 白取和史(工事配属):
今回初めて後輩ができ、「何を教えたら良いだろうか」と考えながら指導に当たっています。この現場ではICT施工が導入されていますので、これに関連する最新技術の習得・活用を積極的にやってもらい、新入社員とはいえ随分と戦力になっています。今は測量も1人でできるスマホアプリがあるので、これも覚えてもらい、活用してもらっています。ICT施工は便利ですが万能ではないので、最終的には人の目と手での対応が必要になります。データを読み込ませた重機でエラーが出れば、人の手で丁張りをして確かめます。地下水の流量も掘ってみないと分からない部分があり、事前に排水計画を立てつつも、実際の流量を見て計画を変更しました。今後は建物の建築工事が本格的に始まり、開発工事と同時並行で進む期間に入ります。自分の立ち位置も少し変わるため、今まで以上に建築部門との連携を取るための調整役として役に立てるよう努めます。


先輩の背中を追いかけて
お互いに注意し合い、支え合う日々
当現場には、6月に2名の新入社員が配属された。現在、朝礼の司会や記録のための写真撮影と資料作成を主に担当する一方、最新技術の習得と活用にも努めている。そんな2025(令和7)年入社のふたりに、今の想いと今後の抱負を聞いた。


東北支店 土木部 工事担当 鈴木健瑠(工事配属):
この現場に来て初めに驚いたのは、CADをこんなにも使うのだということ。CADから情報を読み取ることはもちろん、現場で読み取ったものをCADに落とし込む作業もあります。研修で習った基礎をベースに、先輩方から実務レベルの具体的な使い方を教えていただき、徐々に覚えることができました。その他にも覚えなければいけないことや難しいことも多く大変ですが、「楽しい」が素直な感想です。広い構内のあちこちでさまざまな工事が行われているので、今後も自分のミスで作業を止めないように、気を引き締めて頑張ります。同じ想いでいる同期の竹中君がいてくれて良かったです。ふたりで注意し合って、頑張っています!

東北支店 土木部 工事担当 竹中哲心(工事配属):
この現場は和気あいあいとした雰囲気があり、先輩方も優しく話しやすいので、安心感があります。普段の業務で感じているのは、優先順位の付け方の難しさです。自分では上手く順位付けができない時も多いため、職人さんとも相談しながら決めています。鈴木君といつも話しているのですが、指導役としてお世話になっている「白取さんがすごい」です。白取さんのように、常に全体を把握して今何をすべきかを考えられる人になるべく、ふたりで背中を追いかけています。まずは写真の撮り忘れや、必要な道具の準備し忘れなど、単純なミスをなくすところから。ひとりだと見逃してしまうこともあるので、鈴木君と一緒に確認し合って進めています。


建築工事と並行して続く開発工事
難しい局面をチームで乗り切る
開発工事の第一段階である造成工事を終え、いよいよ建物の建築工事が始まる。併せて開発工事は、建物周辺道路の整備に取り掛かる。開発工事と建築工事が同時並行で進むため、さまざまな場面での協議・調整が必要とされる難しい局面となるが、建築にも福田組が携わっているため、まずは社内の連携をしっかりと図り、2027(令和9)年春のオープンへ向けて一丸となって進む。


このプロジェクトについては、コーポレートサイトの FUKUDA JOURNAL もぜひご覧ください。
工事概要
| 工事名 | イオンモール郡山新築工事(開発工事) |
|---|---|
| 場所 | 福島県郡山市日和田町字小原1番地 |
| 工期 | 2025年4月~2027年春 |
| 発注 | 株式会社日和田ショッピングモール |
| 工事内容・規模 | 開発区域面積:約160,000m² |
東北支店 土木部 工事担当 石澤務(工事所長):
当現場には元々、複数の建物が建つショッピングタウンがありました。今回の「イオンモール郡山」は敷地全体に1棟の建物を建設するため、敷地内にあった1~2mの高低差をなくす必要があります。この造成工事自体は一般的な作業ですが、これだけの規模はなかなかありません。大量の土を一度に運べるよう、タイヤの直径が4mもあるような巨大なダンプ「重ダンプ」を3台導入しました。この重ダンプを含む約20台の重機が行き交う構内の様子は、まさに圧巻でした。一方、土の中に埋設する雨水排水管や防火水槽などは、全て建物の設計に合わせて施工する繊細な作業で、もちろん、建物の設計が変わればこちらの設計も変わるため、柔軟な対応が求められます。また、今後始まる敷地内外の道路整備工事は、敷地内で営業を続ける店舗のすぐそばで行われるため、今まで以上に高度な安全確保が求められます。今後、建築工事と並行して進める開発工事もまだまだ気が抜けない状況が続きますが、建築部門との連携をさらに強化し、安全第一で管理に当たります。